風評被害を受けると企業やブランドのイメージが低下し、売上の減少や顧客離れ、株価の低下などを引き起こす可能性があります。
対策として日頃からインターネットをモニタリングする、風評被害の防止に役立つツールを使用するなどの工夫を取り入れ、リスクの低減に努めましょう。
世間には大なり小なり、いろいろな風評が飛び交いますが、中には風評をきっかけに事実ではないデマが広がってしまうことがあります。
風評被害はデマが広がってしまい、企業や団体、個人が何らかの社会的・経済的被害を受けることです。
風評被害は以前からありますが、近年はインターネットやSNSの普及などにより、その被害は増加・拡大傾向にあります。
ここでは、風評被害のきっかけとなる要因を4つピックアップしてご紹介します。
インターネットが広く普及している現代では、Web上やSNS上でリアルタイムに情報を得るのが当たり前になっています。
中でもSNSは情報の拡散性が高く、短時間であっという間に情報が広まっていくところが特徴です。
例えば、X(旧Twitter)の場合、ポスト(ツイート)を再びポストするリポスト(リツイート)と呼ばれる機能を使うことで、人から人へすばやく情報を共有できる仕組みになっています。
有益な情報が回ってくることもあるため、情報収集ツールとして重宝している方も多いでしょう。
しかし、SNSで流布されている情報が必ずしも正しいものとは限りません。
嘘やデマ、あるいは根拠のない見解であっても、誰かが真実だと思って拡散すれば、同意した人の手によって瞬く間に情報が広まり、いつの間にか事実・真実として認識されてしまうことがあります。
いいねやリツイートの数が多ければ多いほど、大勢の人に支持される真っ当な考え、意見であると見なされやすく、風評被害が拡大する原因となります。
公的機関や専門機関の中には、収集したデータを元にした分析結果や統計を公開しているところもあります。
こうしたデータは見る人の主観によって左右されやすく、データの提供元が意図したものとは異なる方向に解釈・認識してしまう人もいるでしょう。
その誤った解釈・認識を人に伝えたり、SNSにアップしてしまったりすると、見たり聞いたりした人がまた他の人に伝え、いつの間にか風評被害が広まっていることがあります。
そこへ、マスコミやSNSによってネガティブな情報が発信されると、元々の不安や恐れが増長し、正常な判断ができなくなってきます。
すると、メディアを通じて流れてくる嘘やデマを鵜呑みにしやすくなり、風評被害が広がる原因となります。
大きな事件や事故が発生すると、テレビや新聞、雑誌などのメディアを通じて、マスコミが事の次第や詳細を報道します。
事実のみを伝える内容なら問題はありませんが、中には個人の見解を事実のように記載したり、偏った視点から述べた意見を大々的に報じたりしているものも少なくありません。
こういったメディアが世間に与える影響は絶大で、テレビ番組や新聞・雑誌の記事を見た人々はそれが事実であると誤認し、風評被害が起こる原因となることがあります。
企業やブランドそのものにネガティブイメージを抱かれると、商品やサービスの良し悪しに関わらず、その企業の製品やサービスを購入しない、利用しないと考える人が増えてきます。
企業やブランドのイメージは長年かけて作り上げていくものですが、一度マイナスなイメージが植え付けられてしまうと、それを払拭するのは困難です。
まっさらな状態からイメージを作り上げるよりも長い時間を要する可能性もあり、その間に企業の業績が著しく低下してしまうリスクもあります。
特に別の製品やサービスに乗り換えやすいケースでは、顧客離れのスピードが速く、短期間で大量に顧客を失う恐れがあります。
顧客が離れれば、売上や業績が悪化し、経営が大きく傾く原因となるでしょう。既存の顧客だけでなく、見込み客も離れていくため、新規顧客とリピーターを同時に失うことになります。
企業やブランドのイメージが低下するような出来事が起こると、保有株を早々に売りに出す場合があります。
株主が一斉に株を売りに出すと株価が下落し、経営に深刻な影響をもたらすことになるでしょう。
従業員はこれらのクレームや批判に対して、一つひとつ対応しなければなりません。
ネガティブな感情をぶつけられると、従業員のモチベーションが下がり、労働生産性の低下を招いたり、離職率が上がる原因となります。
風評被害が払拭されない間は、求人を出しても思ったように人が集まらないため、従業員が大量に離職してしまった場合、深刻な人手不足に陥る可能性が高いです。
例えば、SNSで自社に関するネガティブな発言を投稿した、自社の社員であることを周囲に明かした上で不適切な言動を取ったなどのケースがあります。
後者の場合、直接企業に関わる内容ではなくても、非常識な社員を抱えている企業というイメージが付いてしまう可能性が高いです。
こうしたトラブルを防ぐためには、日頃から社内教育を徹底し、SNSやインターネットの適切な使い方を指導しておく必要があります。
併せて、情報発信や発言に関する規則を設けておくことも重要なポイントの一つです。
これらの規則・ルールは就業規則などに明記しておき、違反があった場合はペナルティを科すなどの対策を講じておけば、従業員による風評被害の抑止力になるでしょう。
SNS運用については以下記事で詳しく説明しておりますので、ご興味がある方はぜひご覧ください。
・企業のSNS運用にはメリットがたくさん! 運用の仕方や成功のコツ、注意したいポイントを解説
風評被害の芽を早めに摘み取るためにも、日頃からSNSや口コミサイトなどを定期的にチェックし、自社に関する悪質なデマや噂が投稿されていないかをモニタリングする体制を整えておくことが大切です。
ただ、従業員が一つひとつのSNSやサイトを手動で確かめるのはあまり効率的な方法ではありません。
ネガティブな投稿をリサーチできるツールを活用することをおすすめします。
なお、実際に風評被害の種になり得る投稿を見つけた場合、その内容が完全なデマであれば、返信コメントで反論するなどの措置を行います。
主観に基づく意見や批判だった場合は、頭から非難せず、その投稿の内容に一定の理解を示しつつ、事実と異なる部分については毅然とした対応を取るようにしましょう。
風評被害は短時間で広まるため、初期の段階で迅速に対応する必要があります。
例えば風評被害が発生した場合、情報の出所を探るメンバー、風評被害の原因を調査するメンバー、顧客などからの問い合わせやクレームに対応するチームなどをあらかじめ決めておき、有事の際はそれぞれがスムーズに役割分担できるようにします。
また、顧客や取引先からのクレームに対してどのように対応すべきかをマニュアル化しておくと、オペレーターの負担が減少するとともに、企業として一貫した対応を行うことが可能です。
さらに、風評被害を払拭する情報の発信先を決めておくのも重要なポイントの一つです。
近年はSNSを使って、流布されている風評はデマであると発信する企業も増えてきていますが、顧客や消費者の中にはSNSを利用していない層もいます。
特に年齢層が高くなるほどSNSの利用率は低下する傾向にあるため、他のメディアの活用なども検討するとよいでしょう。
ガイドラインは従業員がいつでも閲覧できるところに設置し、有事の際は速やかに対応できるよう準備しておきます。
ガイドラインは適宜見直し、ブラッシュアップしていく必要がありますが、難しい場合は専門家の意見を取り入れるのも一つの方法です。
万が一の場合に備え、風評被害に遭った場合の対応策も考えておくことが大切です。
ここでは、企業が風評被害に遭った場合の対応手順をご紹介します。
風評被害の内容を正確に把握するところからスタートします。
前述したモニタリングの体制が整っていれば、どのような噂が流れているのか、すばやくリサーチすることが可能です。
風評被害の内容を調べる際は、どこまで被害が拡大しているのか、噂やデマの出所はどこなのか、なぜそのような噂が広まってしまったのか、などをなるべく詳細に調査しましょう。
その上で、風評被害が根拠のないデマなのかどうかを確認します。
企業側としては、風評被害につながるようなネガティブな意見や批判について、自社に限ってそんなことはあり得ないと否定したくなるかもしれません。
しかし、自分たちが把握していないところで風評被害の元になる事件や事象が発生していた可能性も考えられます。
根も葉もない噂だと一蹴せず、万が一の場合を考慮して事実関係の確認をきちんと行いましょう。
例えば、自社の製品に不具合が発生している場合はテストを行う、サービスに不備や不満が噴出している場合は、担当部署への聞き取りを行うなどです。
事実関係の確認を怠ったまま、声明発表などの対応を行ってしまうと、「ユーザーを嘘つき呼ばわりした」「ろくに事実関係を確認せず、うやむやにしようとした」など、さらに反感を買う恐れがあるため、要注意です。
自社のコーポレートサイトだけでなく、近年ではSNSなどで発表するところもあります。
声明では、現在流布されている風評被害の内容を説明した上で、事実関係の確認を行ったことと、それが真実だったのか根拠のないデマ・噂だったのかを明記します。
もし事実だった場合は、なぜそのようなことが起こったのかをきちんと説明し、再発防止に努めることを公言しましょう。
防止策を具体的に挙げておくと、より真摯な態度を示すことができます。
一方、根拠のないデマだった場合は、流布されている噂が真実とは異なることを強調し、その説明を裏付ける証拠や事実を示します。
具体的な証拠を出せば、消費者もデマだったことを納得し、企業やブランドイメージの低下を防げるでしょう。
ただ、根拠のないデマや中傷だと判明している場合、運営者に依頼すれば削除してもらえる可能性がありますが、依頼から実際に削除が行われるまでには一定の時間を要します。
また、実際に書き込みを削除するかどうかの判断は運営者に委ねられます。
根拠のないデマ、中傷であったとしても、必ず書き込みが削除されるわけではないため、別の対処法も検討しておく必要があるでしょう。
状況によっては、顧問弁護士やネット風評被害に詳しい弁護士に相談し対応を検討することをおすすめします。
風評被害の原因が根拠のないデマや噂であり、かつ悪質なものと判断された場合は、第二・第三の風評被害の発生を防ぐためにも、毅然とした態度を取ることも大切です。
具体的には、デマや噂を広めた本人に損害賠償を請求する、あるいは刑事告訴を行うことを検討するという方法もあります。
前者は民事上の責任を追求する方法、後者は刑法上の名誉毀損や業務妨害罪に問う方法です。
損害賠償請求および刑事告訴にはかなりの時間と費用がかかるため、容易に決断できるものではありません。
しかし、毅然とした態度を取り、根拠のないデマや噂の流布は許さないという姿勢をみせることで、風評被害の大きな抑止力となります。
一方で、一個人に対してやり過ぎではないかという批判が出てくることもあるため、損害賠償請求や刑事訴訟を行う際は妥当性などもしっかり考慮することが大切です。
万が一、風評被害が発生してしまったら、速やかに事実確認を行い、その真偽を問わず、世間に向けて声明を発表しましょう。
事実であれば、再発防止を講じ、根拠のないデマや噂であれば削除依頼や法的措置などを検討します。
然るべき対応を行えば被害を最小限に抑えられますが、やはりトラブルを未然に防ぐに越したことはありません。
風評被害はいつ、どこで発生するか予測できないため、日頃からインターネットをモニタリングする、社内教育を徹底する、風評被害を防ぐツールを活用するなどの対策を行い、リスクを低減する仕組みを取り入れましょう。
なお、WEBやSNSを従業員が一つひとつ確かめるには時間がかかったり、見逃したりする可能性があります。
モニタリングをする場合はソーシャルリスニングツールを使う方が効率的です。
TDSE株式会社が提供しているソーシャルリスニングツールQuid Monitor(旧NetBase)は、SNSやインターネット上の口コミ、レビューなどのデータを瞬時に分析できるソーシャルリスニングツールです。
風評被害につながるおそれのあるネガティブな投稿をいち早くキャッチし、迅速な対応をサポートする機能が搭載されています。風評被害対策にぜひご活用ください。
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対策として日頃からインターネットをモニタリングする、風評被害の防止に役立つツールを使用するなどの工夫を取り入れ、リスクの低減に努めましょう。
目次
風評被害とは根拠のない噂などによって悪い影響をもたらすこと
風評とは、世間に取り沙汰されることや、評判、噂などを意味する言葉です。世間には大なり小なり、いろいろな風評が飛び交いますが、中には風評をきっかけに事実ではないデマが広がってしまうことがあります。
風評被害はデマが広がってしまい、企業や団体、個人が何らかの社会的・経済的被害を受けることです。
風評被害は以前からありますが、近年はインターネットやSNSの普及などにより、その被害は増加・拡大傾向にあります。
風評被害が起こるきっかけ
風評被害が起こるきっかけは複数あります。ここでは、風評被害のきっかけとなる要因を4つピックアップしてご紹介します。
1. SNSなどインターネット上のネガティブな情報
1つ目はSNSなどインターネット上のネガティブな情報です。インターネットが広く普及している現代では、Web上やSNS上でリアルタイムに情報を得るのが当たり前になっています。
中でもSNSは情報の拡散性が高く、短時間であっという間に情報が広まっていくところが特徴です。
例えば、X(旧Twitter)の場合、ポスト(ツイート)を再びポストするリポスト(リツイート)と呼ばれる機能を使うことで、人から人へすばやく情報を共有できる仕組みになっています。
有益な情報が回ってくることもあるため、情報収集ツールとして重宝している方も多いでしょう。
しかし、SNSで流布されている情報が必ずしも正しいものとは限りません。
嘘やデマ、あるいは根拠のない見解であっても、誰かが真実だと思って拡散すれば、同意した人の手によって瞬く間に情報が広まり、いつの間にか事実・真実として認識されてしまうことがあります。
いいねやリツイートの数が多ければ多いほど、大勢の人に支持される真っ当な考え、意見であると見なされやすく、風評被害が拡大する原因となります。
2. 統計データの誤った認識
2つ目は統計データへの誤った認識です。公的機関や専門機関の中には、収集したデータを元にした分析結果や統計を公開しているところもあります。
こうしたデータは見る人の主観によって左右されやすく、データの提供元が意図したものとは異なる方向に解釈・認識してしまう人もいるでしょう。
その誤った解釈・認識を人に伝えたり、SNSにアップしてしまったりすると、見たり聞いたりした人がまた他の人に伝え、いつの間にか風評被害が広まっていることがあります。
3. 大規模な事故・災害・事件
3つ目は大規模な事故・災害・事件です。大規模な事故や災害、事件は、人々に不安や恐れといったネガティブな感情を植え付けるきっかけになることが多いです。そこへ、マスコミやSNSによってネガティブな情報が発信されると、元々の不安や恐れが増長し、正常な判断ができなくなってきます。
すると、メディアを通じて流れてくる嘘やデマを鵜呑みにしやすくなり、風評被害が広がる原因となります。
4. マスコミの偏向報道
4つ目はマスコミの偏向報道です。大きな事件や事故が発生すると、テレビや新聞、雑誌などのメディアを通じて、マスコミが事の次第や詳細を報道します。
事実のみを伝える内容なら問題はありませんが、中には個人の見解を事実のように記載したり、偏った視点から述べた意見を大々的に報じたりしているものも少なくありません。
こういったメディアが世間に与える影響は絶大で、テレビ番組や新聞・雑誌の記事を見た人々はそれが事実であると誤認し、風評被害が起こる原因となることがあります。
風評被害で生じる4つのリスク
企業が風評被害を受けた場合に想定される代表的なリスクは4つあります。1. 企業・ブランドイメージの低下
風評被害を受けると、企業やブランドのイメージが著しく低下します。企業やブランドそのものにネガティブイメージを抱かれると、商品やサービスの良し悪しに関わらず、その企業の製品やサービスを購入しない、利用しないと考える人が増えてきます。
企業やブランドのイメージは長年かけて作り上げていくものですが、一度マイナスなイメージが植え付けられてしまうと、それを払拭するのは困難です。
まっさらな状態からイメージを作り上げるよりも長い時間を要する可能性もあり、その間に企業の業績が著しく低下してしまうリスクもあります。
2. 顧客離れ
風評被害が広まって企業やブランドのイメージが低下すると、それまで自社の商品やサービスを利用していた顧客が失望し、顧客離れが起こる可能性が高まります。特に別の製品やサービスに乗り換えやすいケースでは、顧客離れのスピードが速く、短期間で大量に顧客を失う恐れがあります。
顧客が離れれば、売上や業績が悪化し、経営が大きく傾く原因となるでしょう。既存の顧客だけでなく、見込み客も離れていくため、新規顧客とリピーターを同時に失うことになります。
3. 株価の下落
株主は企業やブランドイメージの低下に敏感です。企業やブランドのイメージが低下するような出来事が起こると、保有株を早々に売りに出す場合があります。
株主が一斉に株を売りに出すと株価が下落し、経営に深刻な影響をもたらすことになるでしょう。
4. 従業員のモチベーション低下
風評被害が発生すると、世間からの風当たりが強くなり、会社にクレームや批判が寄せられることがあります。従業員はこれらのクレームや批判に対して、一つひとつ対応しなければなりません。
ネガティブな感情をぶつけられると、従業員のモチベーションが下がり、労働生産性の低下を招いたり、離職率が上がる原因となります。
風評被害が払拭されない間は、求人を出しても思ったように人が集まらないため、従業員が大量に離職してしまった場合、深刻な人手不足に陥る可能性が高いです。
企業が実践したい風評被害の対策法
風評被害を未然に防ぐ、あるいは風評被害を最小限に抑えるために企業が行っておきたい対策を3つご紹介します。1. SNSの使い方を社内で徹底する
風評被害は社外の人間や出来事のみがきっかけになるわけではなく、社内の人間が何気なく発信した情報が原因になることもあります。例えば、SNSで自社に関するネガティブな発言を投稿した、自社の社員であることを周囲に明かした上で不適切な言動を取ったなどのケースがあります。
後者の場合、直接企業に関わる内容ではなくても、非常識な社員を抱えている企業というイメージが付いてしまう可能性が高いです。
こうしたトラブルを防ぐためには、日頃から社内教育を徹底し、SNSやインターネットの適切な使い方を指導しておく必要があります。
併せて、情報発信や発言に関する規則を設けておくことも重要なポイントの一つです。
これらの規則・ルールは就業規則などに明記しておき、違反があった場合はペナルティを科すなどの対策を講じておけば、従業員による風評被害の抑止力になるでしょう。
SNS運用については以下記事で詳しく説明しておりますので、ご興味がある方はぜひご覧ください。
・企業のSNS運用にはメリットがたくさん! 運用の仕方や成功のコツ、注意したいポイントを解説
2. モニタリングの体制を整えておく
風評被害は早期発見・早期対応が基本となりますが、風評被害は何がきっかけで発生するか分からず、気付いたら悪質な噂やデマが広がっていたというケースも珍しくありません。風評被害の芽を早めに摘み取るためにも、日頃からSNSや口コミサイトなどを定期的にチェックし、自社に関する悪質なデマや噂が投稿されていないかをモニタリングする体制を整えておくことが大切です。
ただ、従業員が一つひとつのSNSやサイトを手動で確かめるのはあまり効率的な方法ではありません。
ネガティブな投稿をリサーチできるツールを活用することをおすすめします。
なお、実際に風評被害の種になり得る投稿を見つけた場合、その内容が完全なデマであれば、返信コメントで反論するなどの措置を行います。
主観に基づく意見や批判だった場合は、頭から非難せず、その投稿の内容に一定の理解を示しつつ、事実と異なる部分については毅然とした対応を取るようにしましょう。
3. 風評被害対策のガイドラインを策定する
風評被害対策のガイドラインを策定しておきましょう。風評被害は短時間で広まるため、初期の段階で迅速に対応する必要があります。
例えば風評被害が発生した場合、情報の出所を探るメンバー、風評被害の原因を調査するメンバー、顧客などからの問い合わせやクレームに対応するチームなどをあらかじめ決めておき、有事の際はそれぞれがスムーズに役割分担できるようにします。
また、顧客や取引先からのクレームに対してどのように対応すべきかをマニュアル化しておくと、オペレーターの負担が減少するとともに、企業として一貫した対応を行うことが可能です。
さらに、風評被害を払拭する情報の発信先を決めておくのも重要なポイントの一つです。
近年はSNSを使って、流布されている風評はデマであると発信する企業も増えてきていますが、顧客や消費者の中にはSNSを利用していない層もいます。
特に年齢層が高くなるほどSNSの利用率は低下する傾向にあるため、他のメディアの活用なども検討するとよいでしょう。
ガイドラインは従業員がいつでも閲覧できるところに設置し、有事の際は速やかに対応できるよう準備しておきます。
ガイドラインは適宜見直し、ブラッシュアップしていく必要がありますが、難しい場合は専門家の意見を取り入れるのも一つの方法です。
風評被害に遭った場合の対応手順
どれほど気を付けていても、風評被害に遭うリスクをゼロにすることはできません。万が一の場合に備え、風評被害に遭った場合の対応策も考えておくことが大切です。
ここでは、企業が風評被害に遭った場合の対応手順をご紹介します。
1. 事実関係を確認する
まずは、事実関係の確認です。風評被害の内容を正確に把握するところからスタートします。
前述したモニタリングの体制が整っていれば、どのような噂が流れているのか、すばやくリサーチすることが可能です。
風評被害の内容を調べる際は、どこまで被害が拡大しているのか、噂やデマの出所はどこなのか、なぜそのような噂が広まってしまったのか、などをなるべく詳細に調査しましょう。
その上で、風評被害が根拠のないデマなのかどうかを確認します。
企業側としては、風評被害につながるようなネガティブな意見や批判について、自社に限ってそんなことはあり得ないと否定したくなるかもしれません。
しかし、自分たちが把握していないところで風評被害の元になる事件や事象が発生していた可能性も考えられます。
根も葉もない噂だと一蹴せず、万が一の場合を考慮して事実関係の確認をきちんと行いましょう。
例えば、自社の製品に不具合が発生している場合はテストを行う、サービスに不備や不満が噴出している場合は、担当部署への聞き取りを行うなどです。
事実関係の確認を怠ったまま、声明発表などの対応を行ってしまうと、「ユーザーを嘘つき呼ばわりした」「ろくに事実関係を確認せず、うやむやにしようとした」など、さらに反感を買う恐れがあるため、要注意です。
2. 声明を発表する
事実関係を確認したら、何らかの手段で声明を発表しましょう。自社のコーポレートサイトだけでなく、近年ではSNSなどで発表するところもあります。
声明では、現在流布されている風評被害の内容を説明した上で、事実関係の確認を行ったことと、それが真実だったのか根拠のないデマ・噂だったのかを明記します。
もし事実だった場合は、なぜそのようなことが起こったのかをきちんと説明し、再発防止に努めることを公言しましょう。
防止策を具体的に挙げておくと、より真摯な態度を示すことができます。
一方、根拠のないデマだった場合は、流布されている噂が真実とは異なることを強調し、その説明を裏付ける証拠や事実を示します。
具体的な証拠を出せば、消費者もデマだったことを納得し、企業やブランドイメージの低下を防げるでしょう。
3. インターネット上の書き込みの削除を依頼する
風評被害の元になったインターネット上の書き込みは、投稿した本人か、あるいはSNSや掲示板の運営者しか削除することができません。ただ、根拠のないデマや中傷だと判明している場合、運営者に依頼すれば削除してもらえる可能性がありますが、依頼から実際に削除が行われるまでには一定の時間を要します。
また、実際に書き込みを削除するかどうかの判断は運営者に委ねられます。
根拠のないデマ、中傷であったとしても、必ず書き込みが削除されるわけではないため、別の対処法も検討しておく必要があるでしょう。
状況によっては、顧問弁護士やネット風評被害に詳しい弁護士に相談し対応を検討することをおすすめします。
4. 損害賠償請求や刑事告訴を検討する
ここまでご紹介した対策によって風評被害の拡大を防いだとしても、再び似たようなトラブルが起こらないとも限りません。風評被害の原因が根拠のないデマや噂であり、かつ悪質なものと判断された場合は、第二・第三の風評被害の発生を防ぐためにも、毅然とした態度を取ることも大切です。
具体的には、デマや噂を広めた本人に損害賠償を請求する、あるいは刑事告訴を行うことを検討するという方法もあります。
前者は民事上の責任を追求する方法、後者は刑法上の名誉毀損や業務妨害罪に問う方法です。
損害賠償請求および刑事告訴にはかなりの時間と費用がかかるため、容易に決断できるものではありません。
しかし、毅然とした態度を取り、根拠のないデマや噂の流布は許さないという姿勢をみせることで、風評被害の大きな抑止力となります。
一方で、一個人に対してやり過ぎではないかという批判が出てくることもあるため、損害賠償請求や刑事訴訟を行う際は妥当性などもしっかり考慮することが大切です。
風評被害に遭わないために防止策と対応策を講じておこう
風評被害に遭うと、企業やブランドのイメージが著しく低下し、売上や業績の低下、顧客離れの原因となります。万が一、風評被害が発生してしまったら、速やかに事実確認を行い、その真偽を問わず、世間に向けて声明を発表しましょう。
事実であれば、再発防止を講じ、根拠のないデマや噂であれば削除依頼や法的措置などを検討します。
然るべき対応を行えば被害を最小限に抑えられますが、やはりトラブルを未然に防ぐに越したことはありません。
風評被害はいつ、どこで発生するか予測できないため、日頃からインターネットをモニタリングする、社内教育を徹底する、風評被害を防ぐツールを活用するなどの対策を行い、リスクを低減する仕組みを取り入れましょう。
なお、WEBやSNSを従業員が一つひとつ確かめるには時間がかかったり、見逃したりする可能性があります。
モニタリングをする場合はソーシャルリスニングツールを使う方が効率的です。
TDSE株式会社が提供しているソーシャルリスニングツールQuid Monitor(旧NetBase)は、SNSやインターネット上の口コミ、レビューなどのデータを瞬時に分析できるソーシャルリスニングツールです。
風評被害につながるおそれのあるネガティブな投稿をいち早くキャッチし、迅速な対応をサポートする機能が搭載されています。風評被害対策にぜひご活用ください。
Quid Monitor(旧NetBase)の詳細・資料ダウンロードはこちら
Quid Compete(旧Rival IQ)の詳細・資料ダウンロードはこちら