インフルエンサーマーケティングはプロモーションの戦術のひとつに過ぎませんが、キャンペーンを成功させるためにはとても重要です。
このやり方を間違えると、高額な費用をかけたのにブランドを潰すような影響が出てしまいます。
そこで、インフルエンサーを用いたキャンペーンの前に留めておくべきいくつかのヒントをご紹介します。
目次
ヒント1:インフルエンサーキャンペーンの目標
インフルエンサーマーケティングにおいて「キャンペーンの目標を把握する」ことは、基本的ですが見落とされがちな点です。
例えばインフルエンサーへの依頼事項を曖昧にしたり、簡単すぎる目標を設定したりしてしまうのはよくある間違いです。
しかし、そのような場合でもお使いのソーシャルリスニングツールの精度に自信があれば明確な目標を設定することができます。
目標は、ブランドとそのカテゴリーの両方の情報を広範囲に検索することで把握できる、下記のようなものでなければなりません。
- ・バズり・センチメント(ポジティブ・ネガティブ)
- ・トレンド
- ・感情
- ・いいね(高評価)、低評価
- ・主な投稿者
- ・主な情報ソース
ここからは具体的にお話ししましょう。
あなたは、自社のX,Y,Zのブランドについて話す人が増えてほしいと思っていますか?
それとも特定の製品やサービスの購入数が増加して欲しいと思っていますか?
あるいは、カスタマーケアに関連してブランドの認知度が変化することでしょうか?
目標がどのようなものなのかを明確にしましょう。
社内のチームは成功を正確に測定するため、クリアーなビジョンを必要とします。もちろん、インフルエンサーもそれを知っている必要があります。
また、具体的な目標を立てるだけではありません。インフルエンサーを用いたキャンペーンには、インフルエンサーへの具体的な依頼事項も必要です。例えば次のようなものです。
・「a、b、c」の製品の特徴に関する投稿をX個作成してください。
・投稿は「これらのチャンネル」で共有する前に「名前」によって承認され、これらの#ハッシュタグを含める必要があります。
・各投稿が公開された後、最低でも30分間の視聴者とのエンゲージメントが必要です。投稿の中で競合他社について言及しないでください(または一切触れないでください)。
また、「口コミが広がること(バイラル)」自体を目標にしないでください。
アイデアによっては口コミが広がることもありますが、これ自体を目標にしてしまうと、狭い道に縛られ、真に変革をもたらす選択肢を無視することになります。
「うさぎとかめ」の寓話を心に留めておくとよいでしょう。
ヒント2. インフルエンサーキャンペーンに現実的な予算を設定する
インフルエンサー・キャンペーンには現実的な予算を設定しましょう。
しかしこれは、単にインフルエンサーに支払う費用だけに留まりません。以下のような施策で彼らの努力を更にサポートするためにも、ある程度の余剰予算を確保する必要があります。
・インフルエンサーのリーチを拡大するためのターゲット広告
・インフルエンサーのプロモーションをさらに強化してインパクトを最大化する
・オンラインイベントや対面イベントの開催
例えば、あなたがエッジの効いたアパレル企業で素晴らしいダンサーたちとつながっているとします。
これらのコラボレーションとその見栄えを考える際には、上記のような点を考慮して計画を立てるようにしましょう。
ヒント3. インフルエンサー・キャンペーンのタイムコミットメント
インフルエンサーの管理や結果の継続的な分析のためにも時間が必要ですが、一方で取得したデータのクリーニング(不要な投稿の除去)にも時間を割かなければなりません。
Quid Monitor(旧NetBase)ではこれを「曖昧さの解消」とも呼んでいますが、Quid Monitor(旧NetBase)では特定の単語をフィルタリングしたり、あるいはフィルタリングしないようにするための「チューナー」タブを用意しており、不要な投稿の除去をとても簡単におこなうことができます。
「綺麗な」結果が出れば、ソーシャルリスニングの世界では結果に大きな違いが生まれます。
ですが、時間がかかるのはそれだけではありません。
インフルエンサーマーケティングのプロセスは、定着して成長するまでに時間がかかります。インフルエンサーによるマーケティングがすぐに行動を起こすことを期待しているブランドにとっては、これは驚くべきことかもしれません。
しかし、どれほど最高のインフルエンサーであっても勢いは段々とつけていく必要があります。これは絶妙なバランス感覚のいることで、スポンサー付きのコンテンツは消費者に懐疑心やためらいを抱かせることになるからです。
この上なく信頼を置かれているインフルエンサーが消費者の心を掴むのは間違いありませんが、これらの戦術が機能するためには相応の時間をかける必要があります。
設定した目標がすぐに上向くことを期待すると期待外れになります。月や四半期ごとに目標を設定し、休日やその他のイベントを考慮して計画を立てるのがよいでしょう。
また、このような時間管理をしながらプロモーションをおこなうことは、有利に働くこともあればうまくいかないこともありますから注意が必要です。
ヒント4. すべてのセグメントにインフルエンサーを1人(または2人)配置する
あなたの製品の具体的なターゲットは誰でしょうか?
インフルエンサーマーケティングの世界では、「忙しいママ」から「ミレニアル世代」まで、消費者とつながるための無限の選択肢があります。
ヒント1で目標を設定した際、Quid Monitor(旧NetBase)の次世代AIを搭載したセンチメント(感情)分析ツールを使ってトレンドや会話を掘り下げ、消費者に関するより深い情報を得たことでしょう。もしまだあれば、下の画像はあなたが見逃したものです。
トレンドワードの一覧と投稿数を表すインデックス
これが、ソーシャルリスニングにおいてセンチメント(感情)分析が非常に重要な役割を果たす理由です。
Quid Monitor(旧NetBase)をはじめとするソーシャルリスニングツールは「水面下にどんな潜在ユーザーがいるのか?」を理解するのに役立ちます。またブランドは、表面上のオーディエンスが誰であるかを理解することができ、かつ単なる言葉の羅列ではなく、その下にあるものまで理解することができます。消費者の行動や購買決定を促すような反響のあった会話を見ることもできます。
そして、消費者の生活の一部となるため「どのような種類のインフルエンサーを使ってアプローチするのが最良か?」についての洞察を提供しています。
Quid Monitor(旧NetBase)では下の画像のようなダッシュボードをテンプレートとしてご用意しており、あなたの製品に最適なインフルエンサーが簡単に見つかるでしょう。
上の画像では「技術系インフルエンサー」「文化系インフルエンサー」「専門家のインフルエンサー」などがありますが、それぞれどのように違うのでしょうか?
彼らはそれぞれがニッチな話題に焦点を当てています。ソーシャルメディアの視聴者を獲得したいのであればデジタルインフルエンサーが必要でしょう。化粧品ブランドであれば、文化系のインフルエンサーを求めるでしょう。また、コンテンツ/専門家のインフルエンサーは、テック企業に最適です。
とはいえ、どれも明確に定まっているわけではありません。
あるトピックでどのような会話や用語がトレンドになっているか、また、ブランドを代表してその会話に最も有意義かつ真正に参加できるのは誰か、ということに、インフルエンサーマーケティングの成功はかかっているのです。
ヒント5. マクロなインフルエンサーとミクロなインフルエンサー
世の中には様々なインフルエンサーがいます。
より信頼できるインフルエンサーもいますが、信頼できるかどうかはオーディエンスのサイズとは関係ありません。あなたブランドのターゲットがどれくらいニッチなのかによって、マクロ(フォロワー数が1万人以上)とマイクロ(フォロワー数が千人以上)のインフルエンサーのどちらも有益であることがわかります。
「どちらが優れている」というわけではないのです、インフルエンサーの選定ではフォロワー数ではなくエンゲージメントに注目することが必要です。インフルエンサーの中には、例え多くのフォロワーがいても実際には影響力を持っていない人もいます。
ここでの選択はフォロワー数よりも、ヒント4で明らかになったデータを参考にしてください。
また、インフルエンサーとのパートナーシップを進めていく中で、知りたいことが出てきます。
- インフルエンサーは私のブランドについてどのように話しているのか?
- インフルエンサーが制作したコンテンツはそのフォロワーの間で好評なのか?
- 他に誰が自分のブランドについて話しているのか、SNSユーザーの間で誰がインフルエンサーと見なされているのか?
- インフルエンサーが作成しているコンテンツの種類と、それが私のブランド/競合他社/製品カテゴリーにどのような影響を与えているか?
ヒント6. 過去のインフルエンサーキャンペーンの実績
過去のインフルエンサーマーケティングはどうでしたか?
たとえ過去に大成功を収め、インフルエンサーのパフォーマンスに感激していたとしても、それを検証することは役立ちます。
いくつか問いを考えてみましょう。
- 以前の目標は何だったのか、その目標に適したインフルエンサーがいたのか?
- 成功をどのように評価していたか?ソーシャルリスニングやインフルエンサーマーケティングの能力の限界を超えるようなハイレベルなゴールを設定したのか?
- そのインフルエンサーのファンにも注目したか?インフルエンサーのフォロワーを吟味することで、新たな機会やまだ検討していない新しい関連セグメントへのアクセスが得られるかもしれません。
また、過去のインフルエンサーマーケティングが失敗に終わった場合は、再スタートを切る前にその理由を整理することが重要です。
ここでの問いは以下のとおりです。
- インフルエンサーと提携する前に、インフルエンサーの出せるエンゲージメントを適切に吟味したか?
- 我々の目標と依頼事項は明確に伝えられていたか?
- これらプロセスに適切な時間と予算を割り当てたか(ターゲットを絞った広告を作成して取り組みを支援したり、投稿を宣伝して重要な時間帯にさらなる後押しをしたり)
ターゲット層が最もアクティブだった時間帯と場所を把握することも、キャンペーンを再検討する上で重要です。
オンラインでは一瞬にして状況が変わってしまいますが、過去のパフォーマンスを大まかに把握しておくことで将来的に迅速なピボットが可能になります。Quid Monitor(旧NetBase)では投稿数を分単位まで深掘りして分析することも可能です。リアルタイムで正確な洞察がゲームチェンジャーとなるのです。
ヒント7. インフルエンサーキャンペーンのベンチマーキングデータ
目標の話に戻りますが、成功を示すために何を測定していますか?
特定のトピックに関する会話のシェアの度合いを追跡していますか?
競合他社と比較して、ブランド全体の情熱(感情の強さ)に興味があるのではないでしょうか?
さまざまな競合他社との比較を長期的におこなうことで、会話のさまざまなカテゴリーで「どこれを進めるべきなのか」「どこに焦点を当てるべきなのか」など、多くのことを知ることができます。
また、地図上で何がうまくいっているかもわかります。
加えて、コラボレーションしているインフルエンサー以外の他のインフルエンサーがその会話を有機的に拾い上げているかどうか?これも今後のインフルエンサーとコラボレーションの参考になります。
インフルエンサーにはマクロやミクロだけでなく、さまざまな種類のものが必要になります。また、愛好家も必要になります。このような人たちを見つけるのは難しいのです。
ヒント8. インフルエンサーか愛好家か?
マクロとミクロのインフルエンサーの議論と同様に、「インフルエンサーを用いるのか、製品の愛好家を用いるのか」という議論もあります。
インフルエンサーはニッチな分野での有名人としてその界隈に広くアピールすることができますが、一方で愛好家はオンライン上の訴求で最も純粋な形をとる存在です。
彼らは仕事としてのインフルエンサーではなく、自分が知られているニッチな分野を愛しているニッチな専門家であり、その分野への愛によって影響力を持っています。彼らは、購入の意思決定をする前の一般の人々から求められている存在なのです。
通常のSNSでは彼らを見つけることはなかなかできませんが、彼らはRedditやその他のサービスで活発に活動し、洞察力を共有し、機能やコンセプトについて議論していることでしょう。
それゆえ愛好家は、製品の発売を成功させることも失敗させることもできるのです。
このような人たちを特定してパートナーにすることは、どんなブランドにとってもゲームチェンジャーになり得ます。
オンラインにはあらゆるトピックについてニッチな愛好家が存在し、市場を牽引する人々がいます。しかし、典型的なインフルエンサーの声が大きいため、愛好家についてはブランドからほとんど見えません。だからこそ、ブランドやカテゴリーの洞察を詳細に調査する機能が非常に重要なのです。
例えば、下のスクリーンショットにあるブランド愛好家候補のDustin Andersonは、4,580人のフォロワーしかいませんが、295件のエンゲージメントを獲得しています。
一方、はるかに規模の大きいPopsugarのフォロワー数は113,757人で、エンゲージメント数は38件でした。この点をよく見ておく必要があります。
ブランドはこうした愛好家をますます意識するようになっています。愛好家は従来のインフルエンサーのように簡単に見つけることができず、ブランドに協力してもらうこともできないからです。
あなたがまだやっていないのであれば、その道に進みましょう。
心配はいりません。愛好家をよく観察して、パートナーシップがうまくいっているかどうかを確認してみましょう。私たちがそれを見守っています。
ヒント9. インフルエンサー・キャンペーンをモニターするための指標設定
最高のベンチマークを念頭に置いても、インフルエンサーをモニタリングする効果的な手段がなければお金を無駄にしてしまいます。
もしかしたらあなたは、以下のようなものに興味があるかもしれません。
- ブランドのメンション数
- 特定のトピックやブランド全体についてのセンチメント(感情)スコアリング
(ブランドへの感情を示す指標で、-100~100の範囲で表示されます)
- 顕在化した上位のテーマと、各テーマにおけるSOV(シェア・オブ・ボイス)
- ブランドに関連したターゲットオーディエンスに共有してもらいたい感情、属性、行動
- ブランドに関する会話が起きている上位のドメイン(広告費をより効果的に誘導するのに役立つ)
- 現在の目標には含まれていないが、今後の計画において重要な意味を持つ会話の傾向
Quid Monitor(旧NetBase)では、インフルエンサーを特定し、セグメント化し、モニタリングすることでこれらの情報を収集することができます。
ヒント10. インフルエンサー・キャンペーンの成功を伝える
達成したことを上手に共有するにはセンスが必要です。
最高のインフルエンサー・キャンペーンのレポートは、ダッシュボードで入手できるリアルタイムデータでしょう。Quid Monitor(旧NetBase)ではテンプレート化されたダッシュボードにより、スピーディーな共有を行うことができます。
あなたのブランドについて何が語られているかを、包括的なスナップショットで素早く確認することができるのです。
また、チャンネル別のチェックインではインフルエンサー同士を比較することができ、より深く掘り下げることができます。
ヒント11. 再現性の高いパフォーマンスを計画する
あなたはヒント6で既に過去のパフォーマンスを調べることに時間を費やし、メトリクスモニタリングのプロになっているので、準備は万端だと思っているかもしれません。
しかし、そうではありません。オンラインは常に変化する生き物のようなものであり、一貫したリアルタイムのモニタリングが必要です。
インフルエンサー・キャンペーンに限らず、どのようなマーケティング・キャンペーンであっても、実施前/実施中/実施後には再評価が必要です。
それを実現するために私たちはお手伝いします。ソーシャルリスニングがブランドのためにできることをQuid Monitor(旧NetBase)ですべてお見せできればと思います。
SNSマーケコラム一覧
ソーシャルリスニングツールの活用方法やSNSマーケティング事例をご紹介します。
SNSトレンドレポート一覧
ソーシャルメディア上のトレンドをQuid Monitor(旧NetBase)で分析したSNSトレンドレポートをご紹介します。